がん細胞は常に生まれている
健康な方の体内でも様々な原因で細胞の遺伝子は傷つき、日常的にがん細胞が生まれています。それでもがんにならないのは免疫細胞ががん細胞を見つけ次第、殺しているからです。
がんは不運な病気ではない
がんがどのようにして出来るのかご存じでしょうか。不運な方がたまたまかかる病気のようにお考えではないでしょうか。がんは誰でもなりうる病気です。がんの元となるがん細胞は、誰の体の中でも日常的に発生していると考えられています。
がん化のきっかけは身近なところに
現在の技術で発見されるがんは、何らかの拍子で生まれたがん細胞が、年月をかけて、検査で見つかる大きさまで成長した腫瘍です。そして、その出発点となるのは遺伝子に損傷を受けた細胞が、性質を変えて暴れ出したがん細胞です。がんを引き起こす原因は様々です。放射線や紫外線、空気や食品中の毒物、強いストレスなどが引き金になって、細胞のがん化は起こります。きっかけは日常に溢れています。
遺伝子が壊れてがん細胞に
細胞のがん化はDNA上に複数あるがん関連遺伝子(がん遺伝子やがん抑制遺伝子)が、損傷を受けることで始まります。感染したウイルスが遺伝子を乗っ取ってがん化させることもありますが、多いのは慢性的に炎症が続いている粘膜で、遺伝子の損傷が重なって、徐々にがん化するケースです。がん化した細胞は正常な細胞とは異なるふるまいを始めます。
がん細胞は際限なく増える
がん細胞の第一の特徴は周囲の秩序を無視して増え続けることです。必要もないのにどんどん増殖し、際限なく成長していくのです。やがて周辺の組織に浸潤していったり、血流に乗って、他の臓器に転移したりする能力も獲得します。正常な細胞がそんなことをすると死んでしまいますが、がん細胞は死ぬべき時に死ななくなっているので、転移という驚異的な能力を発揮するのです。
免疫ががん細胞を監視・排除
健康な方の体内でもがん細胞は毎日何千個という単位で生まれていると考えられています。しかし、健康であれば一定の免疫力があるので、がん細胞は成長して腫瘍になる前に排除されています。免疫細胞が常に体内をパトロールしていて、がん細胞を見つけ次第殺しているのです。その主力となるのがNK細胞です。免疫について関心の高まった昨今では、よく名前を聞くことがあるのではないかと思います。