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2024-10-11

標的治療

細胞の単位で全身に散らばったがんを排除するには、抗がん剤などの化学療法を行うしかありません。手術や放射線などは目で見えるがんしか対象に出来ないからです。従来の抗がん剤は、がん細胞を狙って攻撃するわけではなく、がん細胞が頻繁に分裂する性質を利用し、分裂中の細胞のDNAを傷害して破壊しました。しかし、このやり方では分裂中の正常細胞も影響を受け、副作用を招くこととなります。そこで、がん細胞を効率よく叩くために、がん細胞の目印(標的)を利用するのが標的治療です。がん細胞は遺伝子の異常が積み重なり、特定の蛋白質が発現し、それが異常な分裂に関係しています。この蛋白質に作用し、分裂を抑制するのが分子標的薬です。また、がんは同じ部位でも様々な性質があり、それぞれが得意な蛋白質を発現しています。それに応じて標的治療を行うことが、治療の最適化であるプレシジョンメディシンに繋がります。

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