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2024-09-09

癲癇の治療薬「スチリペントール」ががん治療に有効か?

がん細胞の薬剤耐性の原因のひとつは、がん細胞が溜め込んだ乳酸でした。

癲癇の治療薬は乳酸の生成を阻害

がん細胞はエネルギーを生成する際に、無酸素解糖系という反応で乳酸を溜め込みます。先月、英国のInstitute of Cancer Researchが、Nature 誌に掲載した研究では、がん細胞が乳酸を溜め込むことが、抗がん剤などへの耐性を引き起こす原因のひとつである可能性が示されました。この研究では胃がん患者24 名の検体を解析した結果、抗がん剤に耐性の出たがんでは、乳酸デヒドロゲナーゼAが多く発現しており、これによって生成される乳酸も豊富であることが明らかになりました。乳酸デヒドロゲナーゼAを阻害するスチリペントールを投与したところ、抗がん剤や放射線の作用を助けることが、マウス実験で明らかになりました。このスチリペントールは、癲癇の治療薬として広く使われています。

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