2024-08-08
低侵襲の血液検査で明らかになった抗体薬物複合体の固形がんへの効果
リキッドバイオプシーは少量の血液を採取するという低侵襲な検査です。
有望な新薬の効果が明らかに
国立がん研究センターと愛知県がんセンターは、リキッドバイオプシーによって血液中の遊離DNAにHER2遺伝子の増幅が認められた固形がんの多くで、抗HER2抗体薬物複合体「トラスツズマブデルクステカン」が有効であることを明らかにしました。HER2は、細胞の増殖に関連する遺伝子であり、進行の速いがんの多くで、このHER2が活性化しています。抗体薬物複合体は、新しいタイプのがん治療薬であり、がん細胞で活発になっている遺伝子(蛋白質)に対する抗体と低分子の抗がん剤を結合させることによって、がん細胞を狙い撃ち、正常な細胞への影響を軽減すると同時に、低分子の抗がん剤の持つ攻撃力を効率よく発揮させます。この研究の意義は、リキッドバイオプシーという少量の血液採取で出来る低侵襲の検査で、トラスツズマブデルクステカンという有望な新薬の効果を予測出来る可能性を示唆していることです。
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