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2024-08-07

アスピリンは大腸がんのリスクを軽減する仕組み

身近な常備薬ががんのリスクを下げるという興味深い話です。

アスピリンは免疫を活発にする

鎮痛剤、解熱剤として広く用いられるアスピリンが、大腸がんのリスクを下げることをご存知でしょうか。アスピリンを常用している方は、大腸がんを発症しにくかったり、発症しても死亡率が低かったりという研究があります。2020年のメタ解析では1日325mg(1錠の標準用量)のアスピリンを服用すると、大腸がんの発症リスクが35%低下しており、頻繁に引用されている2010年のランセットの論文では、低用量アスピリンを毎日服用すると、20年間で結腸がんの発症率が24%低下し、結腸がんによる死亡率は35%低下するとされています。

そして、その仕組みについても解明が進んでいます。ひとつにはアスピリンが、大腸がんの発症や進行に関係しているシクロオキシゲナーゼという酵素の働きを阻害することです。そして、近年、わかってきたのが、アスピリンは免疫を活発にするということです。具体的にいうと、消化管上皮に出来たがん細胞の抗原提示を促し、免疫細胞が攻撃するように誘導するのです。

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