2024-06-18
植物精油の揮発成分に強力な乳がん抑制作用
植物精油には様々な薬効があることが知られています。
レモンのような香気を持つシトラール
東邦大学医療センター大橋病院などのグループは、植物由来の精油(レモンマートル、レモングラス、リツェア、レモンバーム)に含まれるシトラールに、強い乳がん細胞増殖抑制作用があることを確認しました。乳がん細胞株を培養し、水蒸気蒸留法で抽出した精油20種類の液滴(500倍に希釈)を投与し、37℃で48時間培養後、各精油の揮発成分が乳がん細胞の増殖に及ぼす影響を調べました。すると、レモンマートル、レモングラス、リツェア、レモンバームにおいては乳がん細胞の増殖が完全に停止したことが確認されたのです。中でもレモンマートルからの蒸発成分は、最も強力な抗腫瘍作用を発揮しましたが、正常な末梢血の単核細胞に対する毒性は低いこともわかっています。精油の多くにはシトラール(強いレモン様香気を持つアルデヒド)が含まれ、シトラールの抗腫瘍/抗炎症/抗酸化/抗細菌・ウイルス作用などについては既に多くの報告があります。今後、がん治療薬の有効成分となる可能性がありそうです。
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