2021-03-16
がんゲノム医療で原発不明がんの治療の成果が向上
がんは基本的にどこに最初に出来たかで区別され、それに応じて標準治療も行われます。
原発部位が不明だと標準治療がない
がんは部位によって区別され、それに沿った標準治療が確立されています。遠隔転移した場合でも基本的にがんの性質は原発巣と同じとされ、原発巣に応じた治療が行われます。しかし、全体の2~3%は、 原発不明がんといってどこで最初に出来たのかがわからないのです。原発不明がんには経験的に一般的な抗がん剤が使われますが、標準治療が確立されていないので、治療方針を決めること自体が困難です。
遺伝子を解析し、がんの原発部位を推定
近年、がんをその発症原因である遺伝子の変異からアプローチし、がんの性質を明らかにして治療しようという取り組みが進んでいます。国が推進するがんゲノム医療はその際たる例です。これは原発不明がんにも導入されており、先日行われた第18回日本臨床瘍学会学術集会では、次世代シークエンサーで遺伝子を解析し、原発不明がんの原発部位を推定し、それに対する標準治療を行った結果が発表されました。有効な標準治療が確立されているがんと推定され、それが行われた場合、生存期間が延びるなど、良好な結果が報告されています。
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