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2019-09-27

進行がんからの生還の鍵はセカンドオピニオン6

進行がんからの生還の鍵はセカンドオピニオン

標準治療は進行がんに対しては延命しか行わない
保険診療で提供される標準治療は、科学的根拠と多くの検証に基づく信頼出来る治療です。しかし、進行がんに対しては限界があり、現実的には完治よりも延命を目的とする治療になってしまいます。

がんが早期で原発部位や周辺のリンパ節に留まっている場合は、手術や放射線といった局所療法で完全に取ることが出来ます。しかし、浸潤が進んだり、遠隔転移したりすると、がん細胞は全身に散らばっており、抗がん剤による全身治療が必要です。

抗がん剤は、がん細胞が盛んに分裂することに着目し、分裂中の細胞を傷害することで、がんを縮小させます。しかし、再発や転移の原因となるがん幹細胞は、分裂の周期が長く、抗がん剤の攻撃から生き延びてしまうのです。

従って、進行がんに対しては基本的に抗がん剤を繰り返し、完治ではなくて延命を施すしかないのが、標準治療の現実です。

先端医療などで標準治療を補完して、進行がんを克服
がんが進行して、手術が不可能だとか、もう緩和ケアしか出来ないという患者さんはたくさんいらっしゃると思いますが、あくまでも標準治療のガイドラインに従った場合です。自由診療も選択の範囲に加えれば、ステージ4や末期の患者さんでも完治や生還を目指してやれることはたくさんあります。決して諦めることはありません。

がん細胞が全身に散らばっている場合、奏効率は最初に使うファーストラインの抗がん剤で3~5割、セカンドラインで1~3割といわれます。ガイドラインではサードラインまで決まっていますが、生き残ったがん細胞には抗がん剤への耐性が出来て、奏効率はどんどん悪化していくのです。

全身に散らばったがん細胞を排除するには、遺伝子治療や免疫治療で標準治療を補完していく必要があります。こうした治療は自由診療で行われています。保険診療ではそれ以外の治療を勧めたり行ったり出来ませんから、こうした自由診療を希望される患者さんは、まずは先端医療などの自由診療に精通した医師に、セカンドオピニオンを求めることが必要です。

同じ標準治療でも医師によって違いが
保険診療の原則は均てん化された医療ですが、現実には医師や医療機関の優劣はあります。多くの患者さんはがんと診断されたら、紹介された先で治療を受けますが、それがベストの環境とはいいきれないのです。医師や医療機関のことを一番知っているのは医師です。自分のがんを一番得意としている医師や医療機関を紹介してもらうのは、セカンドオピニオンの利用法のひとつです。

また、標準治療にはガイドラインが設けられていますが、それに沿って判断するのは医師です。症状や体調、環境、リスクなどの要因で個々の医師の判断は変わってきます。最初に診断してもらった医師に、手術は無理だとか、緩和ケアしか出来ないといわれても、別の医師の見解が異なるということは少なくありません。
諦めずにセカンドオピニオンを聞いてみましょう。

▼セカンドオピニオン▼

5年前(70歳)にたまたま撮ったMRIで、脳腫瘍が見つかりました。全く症状が無かった上に、半年、1年と経過を見ても、大きさが殆ど変わらなかったので、その後通院していませんでした。最近になって左足の先が痺れるようになってきたので、MRIを撮ってみると、腫瘍が少し大きくなっていました。

主治医からは手術を勧められましたが、「全て取り切ると寝たきりになるので、腫瘍を残す手術になる」「手術することで障害が残るかもしれない」といわれ、何のために手術をするのだろうという気持ちになりました。手術以外で何か方法はないものでしょうか。《75歳 女性》

脳腫瘍の標準治療は「手術で“出来る限り”腫瘍を取り除き、その後、放射線や抗がん剤治療を行う」ことです。”出来る限り“というのは麻痺や言葉の障害などの後遺症を出さない範囲で、腫瘍を切除することを意味します。悪性の脳腫瘍は浸潤(しんじゅん)といって、まわりに染み込むように進行するという特徴があります。もし、手術で浸潤部分まで完全に取り切ろうとすると、正常な脳の部分もかなり切除しなければならず、重い障害が残ることになります。他に放射線(陽子線や重粒子線を含む)や抗がん剤といった治療もありますが、手術を超えるほどの効果はありません。結局、手術は根治を目指すのではなく、いかに腫瘍の量を減らすかになります。

もうひとつ、手術を行う目的に鑑別診断があります。ひと言で脳腫瘍といっても種類が幾つもあるため、腫瘍組織を採取して、診断を行わなければなりません。脳腫瘍の種類によっては放射線や抗がん剤が効きやすい場合があるためです。ただ、診断をするための手術とはいっても神経を傷つけたり、出血したりするリスクがあります。

脳腫瘍は治療方針を決めるにも、手術が避けられないのが現状です。手術のリスクを冒したくないという場合には、経過観察という方法もあります。今の症状は左の足先の痺れだけですが、今後、どういうことが起こってくるのか、それに対してどのように対処するのがよいか、主治医の先生に聞いてみてください。

また、まだ標準治療にはなっていませんが、遺伝子治療やウイルス治療など新しい治療法も出てきています。これらの治療についても主治医の先生に聞いたり、実際に行っている病院などで話を聞いてみたりしてはいかがでしょう。

≪取材協力≫ 銀座みやこクリニック https://gmcl.jp/

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