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2019-05-08

がんに効率よく核酸医薬を送り込むナノマシン

抗がん剤などの効果を高めるには、効率よく患部に届くようにすることが、ひとつの考え方です。

膵臓がんや脳腫瘍は抗がん剤などが効きにくい
東京大学などの研究グループは、抗がん剤などが効きにくい脳腫瘍や膵臓がんに、効率よく核酸医薬品を送り込むナノマシンを開発しました。siRNAという核酸医薬にY字型高分子を結合させることで、体内で酵素によって分解されるのを防いでいます。また、このナノマシンは非常に微小で、膵臓の血管の小さな隙間や繊維性の間質、脳に余計なものが入り込まないように障壁の役割をしている血液脳関門などでも通り抜けることが出来ます。再発や転移のきっかけとなるがん幹細胞を死滅させる核酸医薬で、このナノマシンを作り、ヒトの脳腫瘍の細胞を移植したマウスで、実験を行ったところ、がんは全て消失し、100日後も生存していました。一方、効果のない核酸医薬で作ったナノマシンを投与したマウスは、60日後には実験対象の10匹全てが死亡しています。

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