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2018-12-25

医師が、がんになった時に選択したANK療法

医師が、がんになった時に選択したANK療法

著名な美容外科医が「全身がん」を克服するため、免疫細胞療法を受けている様子が、TV番組で放映されて話題になっています。医師やその家族ががんになった時、どんな治療を選択するかについて、リンパ球バンク代表取締役の藤井真則氏にお話を伺いました。

――「全身がん」を公表している著名な美容外科医が、免疫細胞療法を受けている様子が、TV番組で放映されていましたが……。
当社も、患者さんのNK細胞を体外で培養して、がんと闘う戦力を、数百倍にも増強して戻すANK療法の培養センターを、医療機関に提供していますが、患者さん個人を特定出来る情報は申し上げられません。また、著名人ががんになって標準治療以外の治療を受けると、何かと関心を集めがちですが、治ったからいい治療、亡くなられたからいい治療ではない――というような単純な話ではありません。そもそも、標準治療だけでは進行がんを克服することは困難なのです。患者さんひとりひとりで状況は異なっていますし、多くの患者さんは標準治療を含めていろいろな治療を受けているはずです。

――医師が、自分や家族ががんになった際に、ANK療法を受けるというケースは多いのですか?
きし整形外科内科(茨城県土浦市)の岸秀行院長は、8年前からANK療法を手がけられておられます。きっかけは、ご自身の義理のお父様と実のお父様ががんと診断された際、標準治療では手の施しようがないということで、いろいろな治療を調べた結果、ANK療法が一番、理に適っていると考えられたからだそうです。実際に受けていただいたところ、ふたりとも元気になられ手応えがあったので、ご自身のクリニックでもANK療法を提供されるようになりました。都心のクリニックでは通院が原則ですが、通院が大変な方でも、治療が受けられる診療可能な宿泊施設も開設されています。

――医師自身が患者というケースもありますか?
勤務先の医療機関では標準治療を行っておられる先生や開業医の方が、患者としてANK療法を受けられることはあります。そのままANK療法を提供する側に回られる方もいらっしゃいます。一般の患者さんは、標準治療は効果があるとお思いですが、その効果は、命が助かることを意味しないことを理解していらっしゃるでしょうか。医師の場合、標準治
療だけでは進行がんは克服出来ないことは、皆さんよくご存知ですから、そこで迷う余地がありません。だからこそ、助かるための手段を本気で探されるのではないでしょうか。
こういう話もあります。著名な大学病院の副学長を務められていたある先生は、そこでは標準治療を行っておられましたが、ANK療法を実施するために、別にクリニックを開設されたのです。そのお蔭で進行がんでも助かった方々がいらっしゃるわけです。しかし、自らが進行がんと診断された際は、標準治療だけを受けられ、結局、お亡くなりになりました。これは死生観、価値観の問題ですから、第三者が軽々しくコメントすべきことではありませんが、ふと思い浮かんだのが、特攻隊の出撃命令を出していた提督が、8月15日に自ら特攻出撃され、還らぬ人となられたことです。医師は誰よりも医療の専門家ですから、とことん考え、その結果として決断されたことでしょう。

リンパ球バンク株式会社
代表取締役 藤井真則
三菱商事バイオ医薬品部門にて2000社以上の欧米バイオベンチャーと接触。医薬品・診断薬・ワクチンなどの開発、エビデンスを構築して医薬品メーカーへライセンス販売する業務などに従事。既存の治療の限界を痛感し、「生還を目指す」細胞医療を推進する現職に就任。

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