昨日でがんサイダー.infoは開設から2年を迎えました。その設立の意義について振り返ってみたいと思います。
進行がんになったら保険診療だけでは不十分
日本人に2人に1人はがんになるといわれます。そして、年間100万人以上のがん患者が生まれ、その数は増える一方です。そして、がんによる死亡者もなかなか減りません。医学が日進月歩する現代、世界でも高いレベルの医療を受けることが出来る我が国で、どうしてこのような状況に陥っているのでしょうか。我が国では国民皆保険という素晴らしい制度があり、誰でも等しく充実した医療を受けることが出来ます。保険証を持って、医師にかかるということは、いわば国のお墨付きであり、それがベストである、それ以外の選択肢はないと考えている方が殆どでしょう。しかし、がんという病気、それも進行がんになるとその限りではないのです。
標準治療では再発や転移のリスクが残る
保険診療で行われるがんの標準治療は、手術・放射線・抗がん剤の三大療法が中心となります。まず腫瘍を手術で切り、放射線で焼くことで、目に見える範囲のがんを取ります。そして、細胞の単位で残っているがんは、抗がん剤で排除しますが、それで全てのがんを退治出来るわけではありません。抗がん剤は、がん細胞が活発に分裂しているところに着目し、分裂している細胞を攻撃します。がん細胞と正常細胞を区別して攻撃するわけではないので、このことが副作用の原因になるのですが、もうひとつの問題は、がん細胞が分裂中でなければ生き延びてしまうことです。がん細胞がひとつでも残っていれば、再発や転移のきっかけになります。
抗がん剤治療を繰り返した先の「がん難民」
がん細胞が患部に留まっている早期がんであれば、標準治療でも完治は望めます。しかし、進行がんになると上記の理由で標準治療だけでは完治は望めません。再発や転移を繰り返すと、手術や放射線による治療は出来なくなります。抗がん剤は繰り返しているうちに、がんに薬剤耐性が出来て使えなくなり、徐々に選択肢がなくなっていきます。この間に亡くなってしまう方もいれば、標準治療ではもう出来ることはないと宣告されてしまう方もいます。いわゆる「がん難民」です。こうなると後は緩和ケアくらいしか出来ません。
いい治療だからといって保険適応になるとは限らない
では、進行がんの患者は完治を諦めるしかないのでしょうか。そんなことはありません。がんの治療は標準治療だけではないからです。国内で承認されていないため、保険診療では受けられませんが、科学的根拠やエビデンスのあるがん治療は数多くあります。我が国では保険適応になる上でもハードルは、かなり高く設けられています。相互扶助という観点からは致し方ないのかもしれませんが、よい治療だからといって国が保険適応にしてくれるわけではないのです。
がんと診断されたら、特に進行がんの場合、完治を望むのであれば、最初からそこを目指した治療を組み立てる必要があります。国のお墨付きがあるからといって、漫然と標準治療だけを受けていたら、その先はがん難民です。標準治療自体は検証をを積み重ね、効果を確認されているわけですから、組み立てる上での基本になりますが、そこに自由診療を含めて、標準治療が撃ち漏らしたがん細胞を排除する補完の治療をプラスしていく必要があるのです。
完治を望むなら、患者が主体的に治療を
多くの方は保険証を持って、医師にかかれば、それ以上の治療はありえないとお考えでしょう。がんになっても医師に任せていれば十分だという思い込みがあるのではないでしょうか。少なくとも進行がんに関しては標準治療だけでは限界があります。まずはそのことを知り、自分が主体になって治療を受けていかない限り、完治は難しいといえます。まずは多くの患者さんにそのことを知っていただきたいという思いが、がんサイダー.infoを開設した背景です。
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