がん専門医に聞くコラーゲンの真実
医師開発の高品質「白身魚皮コラーゲン」ががん患者のQOLを高め、回復を助ける
消化器内科の専門医として年間3,300件以上の検査を行う傍ら、ANK療法(免疫細胞療法)で早期がんから進行がんまで多くの患者を救っている新日本橋石井クリニック院長・石井光医師に、がん治療の補完としてのコラーゲンの使い方と選び方についてお話を伺いました。コラーゲン本来の働きを十分に得るためには、材料の品質を厳選する必要があるようです。
──がん患者さんの治療の補助にコラーゲンをお勧めしているそうですね。
がん患者さんは抗がん剤の投与や採血などで注射をする機会が多いものです。度重なる注射は血管に大変な負担になりますし、血管にダメージが蓄積すれば、痛みやストレスも重なるでしょう。コラーゲンは点滴や注射に耐えられる丈夫な血管を作りますから、是非積極的に摂取していただきたい。また、抗がん剤の副作用で爪や髪、肌の健康を損なうことがありますが、コラーゲンを補っている患者さんからは、副作用の緩和に役立っているとの声を聞きます。胃の基底膜はコラーゲンで出来ているので、萎縮性胃炎や胃がんの回復を助け、外科的な傷の回復も早めるので、特に胃がんや術後の方には理想的な栄養素だといえます。
──コラーゲンには具体的にどのような効果がありますか?
私の臨床研究で明らかになった高品質コラーゲンの主な健康効果を、次に挙げます。
- 動脈硬化の改善・解消
- 高血圧の改善
- 骨密度上昇・骨粗鬆症の改善
- 関節痛の解消・改善
- 美肌効果、しみ・そばかすの改善
- アトピー性皮膚炎の改善
- コレステロール値(総コレステロール値、LDLコレステロール値、LDLコレステロール値)と肝機能の改善
- 育毛
- バストアップ
- 便秘解消
- 慢性萎縮性胃炎の改善
これらの以外にも免疫力の向上にも効果があると考えています。
──食事からの補給でもいいのでしょうか?
成人が1日に代謝(破壊)するコラーゲンはおよそ2gです。単純計算で食べ物だけで補おうとすると、牛肉で230g、マグロなら300gを食べなくてはいけません。スッポンやフカヒレなどコラーゲンを多く含むといわれている食材もありますが、これらを食べても十分な量のコラーゲンは吸収されません。私はコラーゲンはサプリメントでとるのが現実的だと考えています。飲み方は簡単で、白身魚皮由来の品質の高いコラーゲンであれば、毎朝空腹時、食事の30分前にビタミンCと一緒に冷たい飲み物と摂取するだけです。健康な成人でしたら1日2g、動脈硬化、骨粗鬆症やがん治療で傷んだ血管の改善目的なら、一日5gを目安に飲めばよいでしょう。
──コラーゲンは消化過程で分解されるので、食べても無駄という説がありますが?
それは大きな間違いです。日本のコラーゲン研究の第一人者である東京農工大学名誉教授・藤本大三郎先生が、ふたつの説を提唱しています。
【ペプチド説】
コラーゲンを消化する際、アミノ酸ペプチドが出来てこれがシグナルとして働くことで、体内のコラーゲン合成が促進される。
【プロリン説】
コラーゲンだけに含まれるプロリン(アミノ酸の一種)が大量に供給されるので、コラーゲン合成が促進される。
私のクリニックで行われた臨床研究だけではなく、コラーゲンの研究が進んだ欧米の研究でも、コラーゲンを飲むことで、体内のコラーゲン合成が促進されたという発表が数多くあります。
──では、コラーゲンは食べても効かないといわれるのはなぜでしょうか?
ひと口にコラーゲンといっても、原料の違いで天と地ほどの差があることを、皆さんに知っていただきたい。結論から申し上げると、一番いいのは天然の白身魚の皮を原料にした本当に「高品質」なコラーゲンです。実際、私の患者さんで大手製菓メーカーや大手化粧品メーカーの魚のウロコや豚の皮を原料にしたコラーゲンを飲んでいた方が、私の推奨している白身魚皮由来のコラーゲンにすると、体感として全然結果が違うと仰られます。それは当たり前のことで、大手各社が販売している製品は大体、原料自体と品質がよくない。
──魚のウロコや豚の皮が材料のコラーゲンと白身魚のコラーゲンの違いを教えてください。
かたい魚のウロコは強塩酸で化学処理をするから、生理活性が低下しています。簡単にいうと、死んでいるコラーゲンです。食べても体に上手く取り込まれないので、効かないという感想を持つのは当然です。また、豚は人間より体温が高く、皮は高温でも溶けません。豚革は鞄や靴に使われるほど頑丈でしょう。頑丈ということはそれだけ分解されにくく、分解されにくいということは吸収されにくいということです。
──先生がクリニックで患者さんに勧めているコラーゲンはどんなものですか?
私が患者さんに勧めているのは、「天然の白身魚の皮を使用したコラーゲン」です。養殖の魚は餌や薬物の安全性が心配なので、材料は天然がいいに決まっています。サケの皮を使用したコラーゲンもありますが、白身魚のほうが体温が低く、皮がやわらかいでしょう。やわらかな白身魚の皮には化学処理は不要。酵素による低温処理で十分です。いわば生きているコラーゲンなので生理活性がとても高い。実際に魚皮と豚皮のコラーゲンを同じ分子量に揃え、試験管内で分解を調べる実験をしましたが、魚皮のほうが7倍分解が早いという結果が出ています。
──賢いコラーゲンの選び方を教えてください。
既に使用しているコラーゲンがあれば、メーカーに原材料の問い合わせをしてみるのが、一番早いでしょう。結局、お客様相談室に聞いても、材料は魚皮とウロコですといわれるだけです。その比率についても答えてくれないでしょう。ということは、殆どがウロコだということ。ウロコと皮では3倍値段が違います。当然安いほうをメーカーは採用します。コラーゲン製品の原料になるのは、殆どティラピアという魚のウロコで、主に中国で養殖されています。安全面、衛生面からいって天然には及びません。コラーゲンに限らず口に入るものは何でもそうですが、何を使っているのか、どこから来たのか、安全なのかなど、メーカーはきちんと説明する義務があると思います。例えば、私が開発したコラーゲンサプリと一般的なコラーゲンでは、殆ど価格差がありません。値段が変わらないなら、より品質がいいものを選んでいただきたい。皆さんには是非、賢い選択をして欲しいですね。
──先生が治療で使用しているコラーゲンは、医療特許を取っているそうですね。
私はこれまでコラーゲンを治療に活用し、症状が改善していく例を数多く確認してきました。コラーゲンは血管の老化を防ぎ、関節痛や軟骨の損傷を改善し、萎縮性胃炎の治療を助けるなど、多くの病気を予防する生体の必須成分なのです。安全かつ高品質な素材を使用し、医療効果が期待出来るクオリティのコラーゲンが世に広がれば、これまで治療出来なかった様々な病気の予防・改善に効果を発揮するはずです。世間に名ばかりの粗悪な製品が溢れていることに憤りを感じています。そこで、私はこれまでの臨床研究の成果を元に、国際特許を取得することにしました。特許の取得には非常に厳しい審査があります。それでも研究成果が認められ、ヨーロッパ特許庁から「アテローム性粥状動脈硬化症の減少及び予防剤」として正式に認可を得ることが出来ました。香港、シンガポールでは「血管老化防止及び抗老化剤」として認可されています。これらの特許がコラーゲン業界内での模範となり、エビデンスのあるコラーゲンサプリの普及に繋がればと思っています。
新日本橋石井クリニック 院長
医学博士 石井光 Dr.Hikaru Ishii
昭和47年、日本医科大学卒業。東京女子医科大学外科入局後、埼玉医科大学 消化器内科助手、城西歯科大学内科非常勤講師、旭ヶ丘病院副院長、米国マウントサイナイ病院客員研究員、水野病院内科部長を経て平成8年に新日本橋石井クリニックを開業。また、自身が開発したドクターズサプリメントを扱うドクターウエルネス株式会社代表を務める。
石井光・著/幻冬舎・発行
ISBN 978-4344999237
1,200円(税別)
その他、標準治療の問題点やその補完について啓発する『医者の罪と罰』『医者の嘘』『がんと診断されたらANK免疫細胞療法』など、著書多数。