乳がんはがん細胞の性質によって分類することが出来ます。まず女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンの受容体を持ち、これらのホルモンの影響で増殖するかどうかで、ホルモン受容体陽性か陰性に区別出来ます。次にがん細胞の増殖に関わるHER2という蛋白質が発現しているかどうかで、HER2陽性かHER2陰性に分けられます。さらに、がん細胞の増殖活性が高い(Ki67値が高い)かどうかという区別もあります。こうした区別をサブタイプといい、それぞれの組み合わせによって6種類に分けられます。ホルモン受容体陽性であればホルモン療法が有効であり、HER2が陽性であれば分子標的薬のハーセプチンが有効ですから、治療もサブタイプに応じて選択されます。ホルモン受容体もHER2も陰性の場合はトリプルネガティブといって、使える治療薬は基本的に抗がん剤しかありません。
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