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2016-10-18

膀胱がんの小倉智昭さん、膀胱摘出を拒んで遺伝子治療中

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小倉智昭さんは膀胱がんになり、医師からは膀胱の摘出を勧められたものの、生活レベルを優先して拒否し、遺伝子治療を続けているとか。最近、よく耳にする遺伝子治療ですが、正直なところ、まだ確立されている治療とはいえない部分があります。

男性機能やスムーズな排尿を優先
フリーアナウンサーの小倉智昭さんが膀胱がんの闘病中であると公表しました。膀胱の左側にはがんの浸潤が見られ、医師からは膀胱の摘出を勧められたものの、男性機能が失われたり、排尿がスムーズでなくなったりするのは嫌だと、遺伝子治療を行っているそうです。本人によると現在でも転移はないとのことで、現在でもTV等に出演しています。8月のリオ五輪の中継でも元気な顔を見せていました。

人為的に手を加えた遺伝子を体内に
近年、よく耳にする遺伝子治療。一体、どのような治療を行うのか説明しておきましょう。がんは、細胞が分裂する際に、遺伝子が誤って複製され、がん細胞が発生することがきっかけになります。健常な方であれば、免疫の働きで異常な細胞はすぐに発見され排除されますが、いろいろな理由で免役が十分に機能しないと、生き延びたがん細胞が増殖を続け、大きな腫瘍になっていきます。このがん細胞の正常に複製されなかった遺伝子を修復するため、人為的に手を加えた遺伝子を、体内に入れるのが、がんに対する遺伝子治療です。

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過剰に持ち上げられている遺伝子治療
インターネットで「がん遺伝子治療」と検索すれば、数多くの医療機関や治療についてのWEBサイトがあることがわかります。いずれも画期的な治療であると宣伝していますが、冷静に目を通してみると、その説明に今ひとつしっくりこないのではないでしょうか。実際、がん遺伝子治療は科学的に確立されているとはいいがたく、治療実績もこれといって見るべき数字があるわけではありません。iPS細胞などまだ研究段階でしかない再生医療への期待、標準治療の限界の周知などで過剰に持ち上げられている感はあります。

正しい情報を手に入れるのは難しい
生活レベルを優先したとはいえ、医師の進める手術を拒否して選択したのであれば、小倉さんは遺伝子治療に信じるに足りる何かを感じたのでしょう。どこで、どんな治療を受けたのか定かではないので、実際の治療をよしあしについて論じることは控えますが、メディアで活躍し、多くの情報を入手出来るはずの方が、がん遺伝子治療に自らの予後を託したというのは、どうも腑に落ちないことです。かつて膵臓がんで亡くなったスティーブ・ジョブス(アップル社創業者)は診断直後の数か月、民間療法だけに頼り、それが余命を短くしたとの説があります。情報、経済力に恵まれていても、適切な治療を見つけることは難しいのかもしれません。

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