がん検診の受診率は4割しかない
早期発見・早期治療が大切であるにもかかわらず、日本人の4割程度しか受けていないがん検診。がん検診を受けないことがどれだけのリスクと損失になるか考えてみましょう。
早期発見・早期治療が何よりなのに
一番のがん対策は予防。とはいえ、日本人の2人に1人ががんになる時代、早期発見・早期治療という積極的な対策が現実的です。実際、早期がんと浸潤・転移した進行がんでは治療の大変さも予後も雲泥の開きがあります。そうなると定期的に検査を受けることが求められますが、我が国のがん検診の受診率は4割程度しかありません。
忙しい、怖い、費用がかかるから
2015年に内閣府が発表した「がん対策に関する世論調査」によると、2013年に胃がんの検診を受けた方の割合は、男性が45.8%、女性が33.8%。肺がんでは男性が47.5%、女性が37.4%となっています。2人に1人ががんになることを考えれば、実に低い数字といえますが、その理由としては「受ける時間がないから」(男性47.4%、女性48%)、「費用がかかり経済的にも負担になるから」(男性35.4%、女性38.9%)、「がんとわかるのが怖いから」(男性36.2%、女性37.7%)などが挙げられています。
本格的な人間ドックでも1日
日々仕事をしていれば忙しいとはいっても、本格的な人間ドックでも1日あれば受診出来ます。簡単な検査なら半日もかかりません。せめて1年に1回の検診を怠ったことで、その後に支払う様々な代償を考えてみてください。日本人は2人に1人ががんになり3人に、1人ががんで亡くなるのです。自分はその幸運なほうの2人に1人であるといいきれるでしょうか。
会社や市区町村の健康診断を利用
費用については会社などで健康保険に入っていれば、毎年の健康診断があるはずです。その際に少々の負担でいろいろながん検診をプラスすることも出来ます。また、一定の年齢の方を対象に、区市町村が実施している健康診断やがん検診もあります。
がん検診を受けたほうが助かりやすい
最後になりますが「怖い」という理由でがん検診を受けないのは、心情的にはわかりますが、家族を始めとする周囲の方、そして何よりも自分自身への責任を放棄しているとしかいいようがありません。先に引用した調査結果では、74.4%の方ががんに対して怖いという印象を持っていました。一番の理由としては72.9%を占めた「がんで死に至るかもしれないから」でした。とはいえ、早期がんであればかなりの確率で治ります。進行がんでも発見が早ければ早いほど、手の施しようがあります。死ぬのが怖いといいながら、検査を受けなければ命を落とす確率を高めていることをわかっていないのです。
がんとしっかり向き合って
真実を知るには勇気がいります。決断をするにも勇気がいります。がんがどう頑張っても不治の病でしかなかった時代、患者に真実を教えないということはありました。しかし、医療が進歩している現代、自分の病気をしっかりと認識し、医師や病院任せではなく自分自身で最適な治療を選んでいくところに、完治への道は開けます。長い目で見て、最低限の時間や費用を惜しまないことを含め、大事なのは主体的にがんと向き合うことではないでしょうか。
関連記事はありません