どんな薬も使い方次第です。副作用が大きいからという理由だけで否定すると、適切な治療から遠ざかってしまうことになりかねません。
ステロイドを使うのは標準治療
SNSで積極的に情報発信をしている防衛大臣の河野太郎氏が、アトピー性皮膚炎の標準治療としてステロイドを使用することに、肯定的な投稿をして、大きな反響がありました。また、過去にはメディアが無責任にステロイドの副作用を強調した結果、適切な治療を受けられずに、症状が悪化した方が多いという発言もありました。確かにステロイドには副作用がありますが、そもそも効果と副作用は表裏一体の関係にあります。量やタイミングを調整しながら、適切な使い方をすることで、症状を抑えられるのであり、アトピー性皮膚炎に対してステロイドを使用することは、標準治療として確立されているのです。
がんの勢いを削ぐには、まずは抗がん剤
がんにいても同じことがいえます。槍玉に挙がり易い抗がん剤は、確かに強い毒性があります。使い続ければ副作用で余命を縮めることは否定出来ません。ただ、がん細胞が勢いよく増殖している時、特に手術や放射線で大きく数を減らすことが困難な場合には、抗がん剤は有力な選択肢となります。副作用を軽減する補助療法なども進歩しています。一部のメディアや異端の医師による抗がん剤は全て害悪という煽動のせいで、一体どれだけの患者が亡くなったりQOLを低下させたことでしょうか。効果があるからこそ副作用もあります。そして、どんな薬も使い方次第なのです。