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2023-04-26

頸部食道がんを公表していた秋野暢子さん、「鬼退治終了」


目に見えるがんが、治療で消えても、まだ細胞の単位で残っています。

本当に「鬼退治終了」か

女優の秋野暢子さんは、昨年の6月に頸部(喉)と食道のがんと診断されました。QOLを重視し、後遺症の懸念のある開胸手術ではなく、放射線化学療法、その後に内視鏡による手術を行い、一旦はがんが消えたのですが、今年の3月になって新たに食道にがんが見つかりました。今月、そのがんを内視鏡で切除し、SNSを通じて「鬼退治終了」と治療が無事終わったことを報告しています。PET/CTでも異常はないことがわかっています。しかし、気になるのは、秋野さんが綴った担当した医師の「今、秋野さんの体の中にはがん細胞はありません、転移も再発もしてません」という言葉。目に見えるがんが消えても、がんは細胞の単位で残っています。さらにいえば、健常者の体の中でも日々、がん細胞は発生しているのです。これをどうやって治療や免疫で増殖しないようにするかが、がん克服の鍵です。また、目に見える範囲では、完治かどうかがわからない──これががんという病気の難しさといえます。医学的には「鬼退治」が完全に終わったとはいえないのです。

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