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2022-08-25

小児がんのドラッグラグは何故、生じるのか?


ドラッグラグは、海外では使える薬が、国内では保険適用されず使いにくいという問題です。

米国では小児がんの承認薬を増やす取り組みが

ドラッグラグとは海外では承認されている薬が、国内では保険適用になっておらず使用出来なかったり、使用出来ても保険適用外になり、高額な費用を負担したり混合診療(保険診療と自由診療の併用)が出来なかったりする問題です。実は、小児がんにおいてドラッグラグは深刻で、小児がんの7割以上は完治するといわれる中、年間500人が亡くなり、小児の死亡原因の第1位になっています。小児がんといっても部位や種類は多岐に及び、中には年間の罹患数が数十という場合があり、新薬を開発しようにも、治験の設定自体が困難です。また、患者数が少ないということは、市場が小さく、製薬会社が参入しづらいといえます。こうしたことを背景に、小児がんではドラッグラグが生じているのです。一方、米国では成人の分子標的薬の開発の際、小児向けも同時に開発することを義務付けるなど、小児がんの承認薬を増やす取り組みを続け、成果を挙げています。

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