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2021-11-01

トリプルネガティブ乳がんにキイトルーダが適用拡大


トリプルネガティブは幾つかに分類される乳がんの中でも、最も悪性度が高いタイプです 。

キイトルーダがトリプルネガティブ乳がんの新たな選択肢に

乳がんには様々なタイプがありますが、最も厄介なのは、女性ホルモンの影響に関係なく増殖し、HER2という蛋白質も発現していないトリプルネガティブと呼ばれる乳がんです。女性ホルモンの影響で進行する場合、その働きを抑制するホルモンが、HER2を発現している場合、それを標的とする分子標的薬が有効ですが、トリプルネガティブの場合、全身治療は抗がん剤しか選択肢がありませんでした。トリプルネガティブだと悪性度が高く、生存率も芳しくない中、新たな治療が求められていたのですが、8月には免疫チェックポイント阻害剤「キイトルーダ」が保険適用となりました。

PD-L1の発現を問わず使えるよう、変更も申請される

がん細胞は様々な手段で免疫を抑制しますが、T細胞の表面にある免疫チェックポイントに働きかけ、T細胞ががん細胞を攻撃出来ないようにしてしまいます。キイトルーダは免疫チェックポイントのひとつであるPD-1に、がん細胞のPD-L1が結合しないようにすることで、がんによる免疫の抑制を解除するのです。従って、作用機序から考えれば、適用はPD-L1を発現しているがんに限られるのですが、製造と発売を行うMSDは、今回、PD-L1の発現に関係なく使用出来るよう、変更を申請しています。

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