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2021-08-31

局所療法に留まらない光免疫療法


再発・転移したがんには局所治療だけを行うことはあまりありません。

光免疫療法は免疫を刺激する

光免疫療法が、局所進行、もしくは再発で手術が困難な頭頸部がんに保険適用となりました。現時点では局所治療という位置付けですが、免疫チェックポイント阻害剤との相乗効果などを含め、全身治療としての研究も進められています。そもそも「免疫」の2文字がついているのは、免疫の仕組み(抗体医薬品)を利用して、がん細胞に光に反応する色素を送り込むからです。その後、患部に光(近赤外線)を照射し、がん細胞を内側から破壊します。直接的にがん細胞を攻撃するのは免疫ではありませんが、色素の発熱でがん細胞が破壊されると、それによって免疫は刺激されます。壊れたがん細胞の成分を抗原として、免疫は全身のがん細胞を攻撃しはじめるのです。進行がんに対して手術などの局所治療を行わないのは、仮に目見えるがんが消えても、細胞の単位で広がったがんまでは排除出来ず、手術や放射線の刺激で増殖に拍車がかかるからです。その点、光免疫療法は、治療後には免疫を活発にするわけですから、進行がんに対しては局所治療・全身治療の両面で期待が出来るかもしれません。

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