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2021-06-25

抗がん剤も免疫チェックポイント阻害剤も、効果と副作用は裏表


薬を使う際には、副作用が気になりますが、効果とのバランスで判断する必要があります。

抗がん剤の副作用は、がん細胞を攻撃している証拠

良薬口に苦しといいますが、効果のある薬は、それだけ副作用のリスクがあります。抗がん剤は、がん細胞だけを攻撃するわけではなく、分裂中の細胞は何でも攻撃します。分裂中であれば正常細胞であっても影響を受けるため、つらい副作用を招くのです。抗がん剤の副作用は多くの方に周知され、それが標準治療の批判に繋がりました。しかし、全身に散らばったがん細胞を、直接叩くという点では、抗がん剤は一番効率的なのです。確かに使い続ければ患者は免疫も体力も低下させ、やがては抗がん剤も効果がなくなります。しかし、がんの増殖の勢いを止めるという明確な目的に対しては、科学的に正しい選択肢といえます。

オプジーボの副作用は別の意味で怖い

従来の抗がん剤とは全く作用機序が異なるオプジーボは、がん細胞を直接叩くのではなく、がん細胞が免疫を抑制している状態を解除し、患者自身の免疫でがん細胞を叩きます。従って、従来の抗がん剤のような脱毛、吐き気、下痢、そして白血球の減少といった副作用はありません。しかし、免疫という複雑な仕組みに手を入れることによって、そのバランスを崩した結果、自己免疫疾患(免疫が暴走し、自身を攻撃する状態)という重篤な副作用を招く恐れがあります。どちらにしても効果と副作用は裏表なのです。

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