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2021-05-13

ネオアンチゲンを利用した新世代のがんワクチン


がんを制圧出来るかどうか、最後の決め手は免疫です。

細胞の単位で残ったがん細胞から再発・転移

がんという病気が厄介なのは、目に見えるがんを、手術や放射線、抗がん剤で消すことが出来ても、細胞の単位で残ったがんから、再発と転移が起こるからです。手術や放射線では目に見えるがんしか叩けません、また抗がん剤は分裂していないがん細胞は傷害しますが、そうでないがん細胞は生き残ってしまいます。そのため、繰り返し抗がん剤を投与し、がん細胞の数を減らしていくわけですが、分裂中の正常細胞も傷害するため、患者はつらい副作用で消耗していき、また抗がん剤に耐性のあるがん細胞が生き残って、徐々に効果がなくなっていきます。最終的には患者の免疫ががん細胞の増殖する勢いを抑え込めるかどうかが勝負なのです。

いかに免疫を目覚めさせるかという課題

がん細胞は生き残るために、様々な手段で免疫を抑制します。がん患者の免疫は眠らされている状態なのです。そこで、近年はこの免疫をいかに目覚めさせるかが、新たな治療の課題になっています。オプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤もその一例です。そして、内外で研究が進む新たな治療のひとつがネオアンチゲンを利用したがんワクチンです。がん細胞は、遺伝子が正常に複製されなかった結果、無秩序かつ無限に分裂・増殖します。そして、遺伝子の異常によってがん細胞に特有の蛋白質を発現しています。これがネオアンチゲンであり、同じがんといえども患者によって千差万別です。これを精査し、患者ひとりひとりのがん細胞の目印を作って投与するのが、新世代のがんワクチンです。このがんワクチンは、免疫細胞ががん細胞を攻撃するように誘導します。

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