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2020-12-28

がん患者でも今すぐ受けられる日本発感染症対策DNAワクチン


2020年12月15日より米国ではファイザーとモデルナがそれぞれ開発した2種類の新型コロナウイルス(以下、COVID-19)のワクチン接種が始まっており、医療従事者や高齢者施設の入居者などが優先的に接種を受けています。アメリカの世論調査ではワクチンが接種出来るようになったら、すぐに受けたいと答えた方が40%、暫く待ってから接種すると答えた方が44%と、接種に前向きな方が84%に上っています。

日本ではワクチンに懐疑的な空気がある
日本では過去の薬害や副作用に対する報道の影響か、ワクチンに対する懐疑的な空気が存在し、ワクチン普及が他の先進国に比べ、大きく後れをとることが懸念されています。
世界経済フォーラムと調査会社イプソスが共同で15箇国を対象に実施した意識調査では、日本の新型コロナワクチンの接種意向は69%に止まり、インドの87%や英国の79%よりも低く、全体平均の73%も下回っています。
COVID-19ワクチンの日本での接種開始は、国内での臨床試験や審査に時間が必要なため、早くても2021年の3月以降になると見られています。その頃には各国で何百万人もの方たちがワクチン接種を終えていて、安全性や有効性に関する情報が報告されることでしょう。

ワクチンの有効性とリスクは未知数
昨年12月21日、日本国内でワクチン開発に携わる国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターの長谷川秀樹センター長が、ワクチンの安全性と効果について会見し説明しました。長谷川センター長は、ファイザーとモデルナのワクチンについて偽薬を投与したグループと比べて、1回目の接種後10日目以降から発症率が低くなっていて、少なくとも短期的には有効である可能性が高いと述べました。
一方、これらのワクチンは臨床試験で投与を受けた方でも、約3箇月しか経過していないため、効果の持続期間や安全性についてはまだ不明な点もあると指摘しています。
ファイザーなどが開発したワクチンは、アメリカでは6人が激しいアレルギー症状を示したという報告が出ていますが、長谷川センター長は副作用について接種から1週間、3箇月、それ以降と、時間の経過を分けて考える必要があり、メカニズムも異なるため、今後も注意深く検証していく必要があるという見解を述べています。

既往症がある方からはワクチン接種に不安の声が
COVID-19ウイルスが変異した際のワクチンの有効性や副反応の可能性については、現段階ではデータが足りず、わからないことが多いのが現実です。COVID-19ワクチンの接種に対して期待の声があるのと同時に、重篤なアレルギー体質の方やがんの治療中の方、人工透析中の方など、体調に問題を抱えている方からの不安の声は決して少なくありません。健康に問題ない方は、積極的にワクチン接種を受けるという選択肢はありますが、既往症がある方は慎重に主治医と相談の上、接種を検討するべきでしょう。

今すぐ摂取可能な独自のワクチンがある
そんな中、日本の医師が開発した独自のDNAワクチンが、COVID-19を始めとする様々なウイルスに対する抗体を作るとして、既に自由診療による接種が始まっています。
DNAワクチンを開発したHICクリニック(東京・有楽町)の平畑徹幸医師は、遺伝子に着目したがんの診断と治療を12年間行っており、がん遺伝子治療の草分け的な存在です。
2020年から接種を開始しているウイルス感染症対策のためのDNAワクチンは、平畑医師が長らく行ってきたがん遺伝子治療の技術をベースに作られています。がんDNAワクチンは、皮下注射や筋肉注射を用いた接種方法で、12年の間に1,000以上の症例がありますが、副作用が発生したケースはありません。
現在公開されているCOVID-19の遺伝子情報を元に、平畑医師ががん治療で使用しているDNAワクチンの技術を用い、COVID-19に対応可能なワクチン開発に至りました。
このワクチンは、2020年12月末現在、日本国内では治験者27名、一般の方80名が既に接種され、ひとりも副作用が出ていません。また、治験での接種後、IGA抗体がどれだけ出来たかを調べたところ、約20倍まで増えていることが確認されています。

ワクチンの種類の違い

◎不活化ワクチン

通常摂取されるインフルエンザなどのワクチンは不活化ワクチンといい、ウイルスを無毒化し、必要な成分だけを体内に戻し、抗体を作らせます。不活化ワクチンを作成するには、蛋白成分を使うので、アレルギー反応や拒絶反応のリスクがあります。また、不活化ワクチンは大量生産に向いているという長所があります。現在、各国で開発が行われているCOVID-19ワクチンは、多くはこのタイプのワクチンです。

◎DNAワクチン

一方、DNAワクチンは蛋白成分を使わず、より正確な抗体を作るために開発されています。世界で数社、日本では大阪大学が開発しており、別名「遺伝子ワクチン」とも呼ばれています。遺伝子ワクチンはウイルスのDNAやRNAから形成されます。そのため、蛋白成分が入っていないので、アレルギー反応や拒絶反応のリスクがありません。ワクチンが体内に入ると、抗原が作られ、それによって免疫細胞が活性化され、抗体が出来上がります。抗体は接種後1週間後から作られ、3箇月から半年程度体内に残ります。

独自のワクチンは点鼻で接種する
このDNAワクチンは点鼻薬です。注射によるワクチンは、体内にウイルスが侵入した後に効果を発揮します。ウイルスの侵入を防ぐわけではなくて、感染をしても症状が軽く済むということです。
一方、点鼻によるDNAワクチンは鼻・口・気道など、粘膜細胞表面に抗体を作り、ウイルスの侵入自体を防ぎます。また、ワクチンを接種すると、全身の免疫細胞が活性化され、抗体が出来るので、感染そのものを阻止することが出来ます。
すでに英国や米国で配布開始されているmRNAコロナワクチンは、体内に入れるタイプのワクチンで、免疫過剰反応などが起こる可能性があること、作るのは比較的容易でも、温度管理が非常に難しいことなどのリスクがあります。
RNAは、非常に不安定な遺伝子なので、壊れやすく、取り扱いが大変難しいワクチンです。平畑医師が研究開発したDNAワクチンの動物実験では、注射などで体内に入れる使用法では副反応が強く、使用不可能と判断されました。それに引き換え、点鼻によるワクチンの接種では、全く副作用を認められませんでした。
点鼻のため、通院が難しい方でも、自宅で投与が可能な点もメリットです。ワクチンは海外などの遠方にも配送可能で、既に多くの海外の医療機関がこのワクチンを使用しています。

≪記事に関するお問い合わせは≫

『がんサイダー.info編集部』まで
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