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2020-05-21

新型コロナウイルス感染拡大でがん治療薬の投与に混乱


抗体薬物複合体「エンハーツ」が保険診療で使えるようになりましたが、副作用として重篤な間質性肺炎を引き起こす可能性があります。

エンハーツの副作用か、感染症か鑑別が困難
分子標的薬と従来の抗がん剤を組み合わせた抗体薬物複合体「エンハーツ」は、先日、薬価収載され、保険診療でも使用出来るようになりました。第一三共は新型コロナウイルスの感染が拡大する中、このエンハーツについて「適正使用のお願い」を出しています。エンハーツは、副作用として重篤な間質性肺炎が起こる可能性があるのですが、新型コロナウイルスに感染した場合の症状の咳、息切れ、呼吸困難、発熱や胸部画像所見のすりガラス陰影などに類似点が多く、鑑別が困難なのです。従って、PCR検査などの必要性を訴えるとともに、エンハーツ投与中に間質性肺炎が疑われた場合は、直ちに投与を中止し、呼吸器疾患に精通した医師と連携し、速やかに治療を行うと付け加えています。新型コロナウイルスの感染拡大はそれ自体だけでなく、周辺の医療にも大きな影響を及ぼしています。

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