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2020-04-30

三大療法が難しい頭頚部がん


標準治療の柱は手術・放射線・抗がん剤の三大療法です。いずれも頭頚部がんに対してはあまり効果的でなかったり問題があったりします。

頭頚部には重要な働きが集中
口腔がん、舌がん、咽頭がんなど首や頭の部位に出来るがんを頭頚部がんといいます。首から上には視覚や聴覚、咀嚼、発生など重要な働きが集中しており、そこにメスを入れることは、大きなリスクがあり、後遺症が避けられないことも少なくありません。容貌が変わるという問題もあります。極めて手術をしづらい部分といえるでしょう。また、進行が速く、抗がん剤が効きづらいことが多いがんです。重要な器官や神経の入り組んでいる部位だと、患部のみに放射線を照射することも困難です。

光免疫療法とBNCTへの期待
近年、幾つかの先端医療がこの頭頚部がんの有力な治療として期待を集めています。そのひとつが光免疫療法。光(近赤外線)に反応する色素を、がん細胞が選択的に取り込む抗体と結合させ、あらかじめ患者に投与した後、外部から光を照射します。色素が反応して発熱し、がん細胞を内部から破壊するのです。もうひとつはBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)。がん細胞に取り込まれ易いように加工したホウ素の化合物を、患者に投与し、外部から中性子を照射します。すると、中性子に反応したホウ素が、核分裂を起こし、内部からがん細胞を破壊します。核分裂で発生するエネルギーは、ちょうど細胞1個の範囲に及び、他の細胞には影響しません。いずれもがん細胞を狙い撃ち出来る治療といえます。

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