toggle
2020-02-20

先進国で日本だけがんで亡くなる方が増えている理由

日米で比較すると、米国ではがんで亡くなる方は減少傾向にあり、がんで亡くなる方の割合は日本のほうが1.6倍も多くなっています。

米国は国を挙げて食生活改善に取り組む
がんになる方、がんで亡くなる方は世界的に増えていますが、いわゆる先進国だけで見てみると、概ねがんで亡くなる方は減少傾向にあります。米国では1970年代に報告されたマクガバン・レポート以降、国を挙げて食生活の改善に取り組み、1992年以降、がんで亡くなる方は減少に転じています。

日米で比較してみると、がんで亡くなる方の割合は、日本のほうが約1.6倍も多いのです。日本には国民皆保険という制度があり、誰もが大きな負担なく、質の高い医療を受けることが出来ます。医療の水準を見ても、手術などは世界で最高といって差し支えありません。

高齢化、検診受診率の低さが背景に
がんで亡くなる方が増え続けている背景として、先進国の中でも突出した高齢化の進行による罹患者の増が挙げられます。年をとればそれだけがんになるリスクは高まります。検診の受診率の低さも原因として考えられます。一般に4割前後といわれますが、がんは早期に発見出来れば、それだけ生存率は高くなります。早期で自覚症状がないうちに進行し、見つかった時には手遅れというケースは少なくありません。

進行がんを征圧出来ない標準治療の限界
さらに、標準治療の限界もあります。保険診療で行われる標準治療は、誰もが大きな負担なく受けられるため、ガイドラインが定められています。患者に応じたアラカルトではなく、がんの部位や進行の度合いに応じて出来ることが決まっているコース料理です。

欧米ではがんになったら外科や内科、放射線科など様々な専門の医師が集学的に治療を組み立てますが、現状の標準治療では無理なのです。患者ひとりひとりに最適な治療を行えるような取り組みがあれば、がんで亡くなる方は減っていくのではないでしょうか。

また、標準治療は基本的に進行がんに対しては完治を目指していません。手術や抗がん剤は目に見えるがんしか消すことが出来ません。抗がん剤は全てのがん細胞を排除することは出来ません。最終的には患者の免疫ががんも勢いを抑え込めるかどうかになりますが、標準治療の基本である抗がん剤は、免疫を低下させます。どこかの時点で免疫を上げていく治療に切り替えていなかなければ、それは延命に過ぎないということです。

Share on Facebook0Tweet about this on Twitter0
関連記事