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2020-02-03

手術出来ない膵臓がんに新たな治療が

膵臓は入り組んだ場所にあり、がんを狙い撃ち出来る粒子線でさえ、治療が困難な場合が多いのが現状でした。

膵臓がんは最も厄介ながん
膵臓がんは最も厄介ながんといわれます。自覚症状が乏しく、発見された時には既に進行していることが多く、また膵臓が奥まった部分にあって、周囲の臓器にも浸潤し易いからです。手術よりは負担の少ない放射線を照射する場合でも、周囲への臓器への影響が避けられません。放射線よりもがんを狙い撃ち出来る粒子線でも、治療が可能になる割合は、切除不能な膵臓がんのうちの約1割しかありません。

放射線治療を効果的にするスペーサーが保険適用に
2019年12月、放射線を照射する際にスペーサーとしてして使用するネスキープが保険適用になりました。これはがんと正常な組織の間に手術によって埋め込むことで、間隔を作り、正常な組織への影響を防ぐものです。神戸大学ではこのネスキープを粒子線と組み合わせて、膵臓がんの治療に取り組んでいます。手術が出来ない膵臓がんの患者のうち、粒子線治療も出来ない割合は約9割。ネスキープを併用することで、そのうちの約4割で粒子線を使うことが可能になると予測しています。膵体頭部は十二指腸と近く、間にネスキープを置くことが出来ません。

従って、膵体尾部で肝臓などへの遠隔転移がない場合が適用になるとしています。膵蔵がんの多くは進行した状態で発見され、根治療法がないと診断されることが多くなります。今回の取り組みは多くの患者にとって福音となるかもしれません。

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