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2020-01-30

進行がんからの生還の鍵はセカンドオピニオン10

進行がんからの生還の鍵はセカンドオピニオン

標準治療は進行がんに対しては延命しか行わない
保険診療で提供される標準治療は、科学的根拠と多くの検証に基づく信頼出来る治療です。しかし、進行がんに対しては限界があり、現実的には完治よりも延命を目的とする治療になってしまいます。

がんが早期で原発部位や周辺のリンパ節に留まっている場合は、手術や放射線といった局所療法で完全に取ることが出来ます。しかし、浸潤が進んだり、遠隔転移したりすると、がん細胞は全身に散らばっており、抗がん剤による全身治療が必要です。

抗がん剤は、がん細胞が盛んに分裂することに着目し、分裂中の細胞を傷害することで、がんを縮小させます。しかし、再発や転移の原因となるがん幹細胞は、分裂の周期が長く、抗がん剤の攻撃から生き延びてしまうのです。

従って、進行がんに対しては基本的に抗がん剤を繰り返し、完治ではなくて延命を施すしかないのが、標準治療の現実です。

先端医療などで標準治療を補完して、進行がんを克服
がんが進行して、手術が不可能だとか、もう緩和ケアしか出来ないという患者さんはたくさんいらっしゃると思いますが、あくまでも標準治療のガイドラインに従った場合です。自由診療も選択の範囲に加えれば、ステージ4や末期の患者さんでも完治や生還を目指してやれることはたくさんあります。決して諦めることはありません。

がん細胞が全身に散らばっている場合、奏効率は最初に使うファーストラインの抗がん剤で3~5割、セカンドラインで1~3割といわれます。ガイドラインではサードラインまで決まっていますが、生き残ったがん細胞には抗がん剤への耐性が出来て、奏効率はどんどん悪化していくのです。

全身に散らばったがん細胞を排除するには、遺伝子治療や免疫治療で標準治療を補完していく必要があります。こうした治療は自由診療で行われています。保険診療ではそれ以外の治療を勧めたり行ったり出来ませんから、こうした自由診療を希望される患者さんは、まずは先端医療などの自由診療に精通した医師に、セカンドオピニオンを求めることが必要です。

同じ標準治療でも医師によって違いが
保険診療の原則は均てん化された医療ですが、現実には医師や医療機関の優劣はあります。多くの患者さんはがんと診断されたら、紹介された先で治療を受けますが、それがベストの環境とはいいきれないのです。医師や医療機関のことを一番知っているのは医師です。自分のがんを一番得意としている医師や医療機関を紹介してもらうのは、セカンドオピニオンの利用法のひとつです。

また、標準治療にはガイドラインが設けられていますが、それに沿って判断するのは医師です。症状や体調、環境、リスクなどの要因で個々の医師の判断は変わってきます。最初に診断してもらった医師に、手術は無理だとか、緩和ケアしか出来ないといわれても、別の医師の見解が異なるということは少なくありません。
諦めずにセカンドオピニオンを聞いてみましょう。

▼セカンドオピニオン▼

昨年の10月に膀胱がんだと診断されました。幸いに早期で浸潤や転移もなく、腫瘤を綺麗に取ることが出来ました。早期なので手術の後は経過観察で何も治療をはしないそうです。がんは再発や転移のある病気なので、何か積極的な予防をしたいのですが……。《東京都 70歳 男性》

がんは、早期と進行した段階では全く異なる病気といっても過言ではありません。がんが上皮に止まった早期であれば、手術だけでも十分に完治が期待出来ますが、進行した結果、筋層を越えて浸潤したり、遠隔部位に転移したりすると、がん細胞は全身に散らばっています。そうなると手術や放射線による局所治療に抗がん剤などの全身治療を併用することが求められます。

がんはたった1個のがん細胞が分裂・増殖して大きな塊になったものです。目に見えるがんを綺麗に取ることが出来ても、細胞の単位ですでに浸潤・転移している可能性があります。手術による免疫力低下など、何らかの原因がもとで、この転移した細胞が盛んに増殖をはじめるのです。

標準治療においては早期のがんは手術で綺麗に取れた場合、それ以上の全身療法は行われません。ガイドラインでそのように決められています。しかし、それで十分といいきれないのも事実です。がんが綺麗に取れても、その周辺や血液中、他の臓器にがん細胞が存在している可能性があります。そこから再発・転移するリスクはないとはいえません。

日本には素晴らしい公的医療保険があります。多くの方にとって医療=保険診療でしょう。しかし、がんという病気においては生還する可能性を高めたいなら、自由診療も視野に入れて、積極的な治療を選択肢として追加していくことをお勧めします。

患者さん自身のNK細胞を採取し、対外で強化して戻す免疫細胞療法(ANK療法)、がんの原因である異常な遺伝子を外から補う遺伝子治療など、保険診療以外にも優れた治療が開発されています。科学的根拠と実績のある自由診療については、それに詳しい医師にセカンドオピニオンを求めるといいでしょう。

≪取材協力≫ 銀座みやこクリニック https://gmcl.jp/

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