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2019-12-26

樹木希林さんが受けていた特別な放射線治療

「全身がん」を公表した後も、精力的に女優活動を続けていた樹木希林さんが受けていた放射線による特殊な治療が話題になっています。

4次元ピンポイント照射でがんを正確に狙える
女優の樹木希林さんは2013年に全身にがんが転移していると公表しましたが、その後も亡くなるまでは精力的に仕事を続け、今年、亡くなりました。一般的にはがんが全身に転移した段階になると、治療は抗がん剤が中心になります。しかし、彼女はそうした治療は行わず、特殊な放射線による治療を受けていたことが話題になりました。放射線をがんに照射すると、どうしても通過した部分や周囲にも当たってしまい、正常な細胞にも影響が及びます。これに対して彼女が受けていた治療では、4次元のピンポイント照射によってがんをより正確に狙うことが可能なので、副作用による負担が軽減出来るという特長があります。

進行がんは局所ではなく全身の病気
がんを克服出来るか、また進行していてもがんと共存出来るかどうかは、患者の免疫の状態に左右されます。目に見えるがんが消えても、がんは細胞の単位で残っています。体力が温存され、免疫の活性が維持出来ていれば、がん細胞が増殖する勢いを食い止められるのです。進行がんはがんが出来ている局所の病気ではなく、がんが散らばっている全身の病気だと考える必要があります。従って、局所の治療である放射線の照射が、どんなに正確に、最小限の範囲で行えても、それだけでは進行がんへの対応として不十分なのです。

多くの著名人が受けた治療
放射線の4次元ピンポイント照射は患者への負担が少なく、がんをより正確に狙い撃ち出来る素晴らしい治療です。樹木さんだけでなく大相撲の九重親方、ジャーナリストの筑紫哲也さん、俳優の渡瀬恒彦さんなどもこの治療を受けています。放射線を照射すれば、免疫にもダメージは及びます。その負担を最小限にすることが出来れば、当然、がんとは共存し易くなります。樹木さんが元気で延命出来た背景にはそのような要因もあったのでしょう。とはいえ、 樹木さんのような著名人の延命に繋がったことで、それが万能の治療のような印象を与えてしまう懸念はあります。

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