toggle
2019-12-24

抗体薬物複合体への期待で第一三共の株価はほぼ2倍に

従来の抗がん剤の問題点が周知される中、様々な分野の新薬が開発されています。

DS-8201は米国で乳がんに対して承認
製薬会社の第一三共は、次世代の事業として抗体薬物複合体に注力しています。これは既存の抗がん剤に分子標的薬を結合させ、がん細胞を効率よく叩けるようにしたものです。既にDS-8201がアストラゼネカと体系して、治験を進めており、米国では乳がんの一部で治療薬として承認を取得しています。そして、開発中の抗体薬物複合体2つについて来年5月以降、詳細なデータを発表していく予定です。こうした状況を受け、第一三共の株価は2019年にほぼ2倍に上昇しています。

いかにがん細胞だけを効率よく叩くか
我が国では標準治療における化学療法はまだ抗がん剤です。抗がん剤はがん細胞を直接攻撃し、数を減らすことが出来ますが、分裂中であれば正常細胞も巻き添えにして、つらい副作用を招きます。一方、欧米では主流になっている分子標的薬は、がん細胞に特異的に発現する分子を目印に作用し、増殖を抑えます。効き方も副作用も従来の抗がん剤よりは穏やかです。この両者を結合させることで、効率よくがん細胞に送り届け、抗がん剤の効果を発揮させます。正常細胞に出来るだけ影響を与えることなく、がん細胞を叩くというのが、新薬の課題となっている中、抗体薬物複合体は期待が集まっている分野だといえます。

Share on Facebook0Tweet about this on Twitter0
関連記事