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2019-12-04

腎細胞がんの再発・転移に関わる蛋白質を発見

がん細胞は遺伝子に変異のある細胞であり、正常細胞よりも特定のたんぱく質などをたくさん発現します。がん細胞を叩く際には、これが目印になります。

アミノ酸トランスポーターLAT1が特異的に発現
千葉大学の研究グループは、アミノ酸トランスポーターLAT1という蛋白質が腎細胞がんで特異的に発現し、再発や転移に深く関わっていることを明らかにしました。私たちの体内ではアミノ酸を組み合わせて、蛋白質を合成して、成長や生命の維持のために使っています。LATにはその際にアミノ酸を運んでくる役割があり、1~4まであるLATのうち、特にLAT4はがん細胞に多く見られ、がん治療の鍵になるのではないかと注目を集めていました。

研究グループでは腎細胞がんの手術を受けた患者のがん組織と正常組織を、LAT1に反応する色素で着色し、がん細胞ではLAT1の発現が多く、また発現が多い程、再発や転移の可能性が大きいことも突き止めています。また、がん細胞にLAT1を阻害するJPH203を投与することで、アミノ酸の流入が減り、増殖が抑制されることも確認しています。この研究が腎細胞がんの腫瘍マーカーの発見、さらには新たな治療の開発に繋がることを期待しましょう。

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