toggle
2019-09-19

抗体薬物複合体「DS-8201」の投資価値は新薬全体で3位

正常細胞を巻き添えにすることなく、がん細胞だけを攻撃することが、がん治療の大きな課題です。

ハーセプチンと抗がん剤を結合
国内外の新製薬会社を対象に、薬開発に対する投資の価値を分析する調査で、第一三共が手がけるDS-8201が、全体の3位にランクインし、1兆円以上と評価されました。DS-8201は、がん細胞が発現しているHER2を目印に作用する分子標的薬(ハーセプチン)と低分子薬品(トポイソメラーゼ1阻害薬DXd)を結合させた抗体薬物複合体です。分子標的薬はがん細胞に効率よく届き、正常細胞への影響が少ないのですが、効果は穏やかです。一方、従来の抗がん剤のような低分子薬品は、がん細胞を叩く力は強くても、分裂中であれば正常細胞にも作用するため、副作用が問題になってきました。抗体薬物複合体はこの両者を結合させ、それぞれの長所で短所を補っています。がん治療で重要なのは正常細胞への影響を抑えながら、出来るだけ多くのがん細胞を排除することであり、抗体薬物複合体はその手法のひとつです。

Share on Facebook0Tweet about this on Twitter0
関連記事