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2019-08-02

がんゲノム医療、保険適用になるのは、年間1000人程度

全ての患者が、がんゲノム医療を保険診療で受けられるわけではありません。

保険診療であれば自己負担には上限がある
がんゲノム医療が推進される中、中外製薬とシスメックスのがん遺伝子パネル検査が保険適用になりました。がん遺伝子パネル検査は、多くの会社や大学などが開発し、自由診療や先進医療で提供してきましたが、多くは100万円以上と高額であることが難点でした。保険診療なら高額医療費制度が適用され、自己負担には上限が設けられるため、経済的には受けやすくなったといえるでしょう。

効果的な治療が見つかっても保険適用とは限らない
しかし、現実にはその恩恵を受けられる患者はそんなに多くなさそうです。がん遺伝子パネル検査が保険適用になるのは、標準治療の効果がなかった患者や希少がんの患者などで、年間1万人程度と見られています。さらに、その中で有効な治療が見つかる患者は1000人程度。毎年、がんになる方は100万人以上ですから、そんなに多いとはいえないでしょう。さらにいえば、見つかった治療(効果が期待出来そうな分子標的薬)が保険適用であるとは限りません。タイミングよく治験などがあればいいのですが、通常は自由診療となります。同じ医療機関で治療を受けるのであれば、患者申出療養の手続きをとる必要があります。そして、いずれにせよ、費用は全額自己負担です。効果的な治療が見つかったのに、費用面で諦めざるをえないという不幸なケースが出てくるでしょう。

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