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2019-06-27

NECが、AIを活用し、がんの創薬事業に進出

創薬の分野でAIの活用が進んでいます。果たしてがんの特効薬は開発されるのでしょうか。

完全ながん抗原など存在しない
大手電機メーカーのNECが創薬事業に参入することになりました。同社の最先端AIを活用し、頭頚部がん、卵巣がんのネオアンチゲンワクチンを開発します。ネオアンチゲンとはがん細胞の変異した遺伝子が作り出す物質です。これをワクチンとして、患者の免疫に認識させることで、がんを攻撃するようになるというのが、ネオアンチゲンワクチンの考え方です。

NECのとりくみでは患者によって異なる多数のネオアンチゲンの中から、どれをワクチンにすれば効果的かを、AIによって判断させるのです。しかし、がん細胞を認識するためのがん抗原、いいかえればがん細胞にのみ存在し、正常細胞には存在しない物質はまだ見つかっていません。がん細胞も正常細胞も患者の体内で作られており、がん細胞に特異的に見られる物質は、程度の差こそあれ、正常細胞にも見られるのです。残念ながらネオアンチゲンウイルスはがんの特効薬ということにはなりません。

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