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2019-06-03

断食や糖質制限はがん治療には逆効果

がん治療でも糖質制限や断食が行われているようです。

がん細胞は糖質がエネルギー源
数年前からダイエットや美容目的で糖質制限が流行しています。そして、がん治療においてもがん細胞が糖質を積極的に吸収して増殖するという特徴に着目し、糖質制限や断食でがん細胞を兵糧攻めにしようという治療を行っている方がいるようです。確かに現代の食生活は糖質が過剰だといわれます。また、過食、栄養過多になりがちな現代人にとって、消化器を休めることは意味があるでしょう。

糖質は免疫細胞のエネルギー源でもある
しかし、がん治療においてそれが有効かといわれると、疑問を唱える方が少なくありません。がんは免疫が機能しないから発症する病気であり、がんを倒すには免疫を回復させる必要があります。しかし、免疫細胞もがん細胞と同様、糖質を積極的に吸収します。がん細胞を兵糧攻めにするつもりが、肝心の免疫細胞まで弱らせてしまいかねないのです。また、糖質は素早く代謝され、熱に変わります。体温が下がれば、免疫が低下することは、周知の事実です。確かに糖質制限や断食ががん治療に何らかの効果をもたらした例はあるようです。とはいえ、がん治療に重要なのはまず免疫です。そして、がん治療は体力勝負ですから、必要な栄養が不足するような糖質制限や断食は本末転倒といえます。

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