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2019-04-22

遺伝子改変による新たながん治療

DNAを任意の場所で切り貼りし、遺伝子を改編出来る時代になりました。

免疫細胞を遺伝子改変によって攻守の両面で強化
米国ペンシルバニア大学では遺伝子改変によるがん治療の治験が行われています。DNAを任意に編集するCRISPRというツールで、免疫細胞の一種であるT細胞に対して、がん細胞を認識する遺伝子を加え、さらにがん細胞によって攻撃を抑制されるスイッチであるPD-1を取り除き、患者の体内に戻すという治療です。現在、肉腫と多発性骨髄腫の患者に治療が行われています。この分野ではまず中国が先行し、米国がそれを追いかけている状態です。

T細胞を使う以上、がん治療として限界がある
この治療の考え方はCAR-Tと同様、遺伝子改変によるT細胞のがん細胞への攻撃力強化です。しかし、T細胞を使う以上、限界はあります。T細胞はがん細胞を異物として認識して攻撃するわけではなく、何らかの成分を目印に攻撃を行うだけだからです。恐らくこの治療でもT細胞ががん細胞に特異的な蛋白質を認識するセンサーを加えたのでしょう。問題は全てのがん細胞にあって、正常細胞にはない万能の目印となる成分などないということです。

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