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2019-04-12

食道がんのウイルス製剤が先駆け審査指定制度の対象に

がん細胞に感染して、内側から破壊するのがウイルス製剤です。

13人の被験者のうち、8人ががん消失、3人が縮小
岡山大学が開発しているウイルス製剤「テロメライシン」は、アデノウイルスの遺伝子を改変し、がん細胞を選んで感染し、内側から破壊します。このテロメライシンは食道がんにおいて放射線との併用で効果が確認されています。2013年から昨年まで高齢や腎機能障害で手術が行えない50代~90代の食道がんの患者13人に対して、テロメライシンを投与した後に、放射線の照射を6週間行い、その間にテロメライシンを2回追加で投与する臨床試験を行ったところ、8人はがんが完全に消失、3人は縮小、1人は変化なしという結果になりました。

食道がんの手術はリスクが大きい
厚生労働省は4月8日、実用化に向けての審査において優先的な取り扱いの対象となる先駆け審査指定制度の対象となる11品目を発表しましたが、このテロメライシンもそのうちのひとつです。食道がんの手術は、胸部を大きく切開するため、高齢者などではリスクが大きくなります。近年では抗がん剤と放射線を併用する化学放射線療法が進歩し、手術と遜色のない5年生存率になっていますが、テロメライシンと放射線の併用が実用化されれば、その有力な選択肢が増えることになります。

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