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2019-03-05

どんどん高騰するがんの新薬

当初、3000万円超の薬価が問題になったオプジーボ。そして、間もなく保険適応になるキムリアは5000万円前後といわれています。

バイオ薬品は開発費が高騰
3年前、免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」が患者の少ない悪性黒色腫に加えて、患者の多い非小細胞肺がんに保険適応が拡大された際、年間3000万円を超える薬価が、大きく問題視されました。医療財政はどんどん逼迫しており、さらなる負担の一因になるのではないかと懸念されたのです。その後、オプジーボの薬価は従来の見直しのルールを変更してまで、半額に引き下げられ、さらに2度の引き下げを経て当初の4分の1以下になっています。仮に引き下げがなかったにしてもオプジーボだけで医療財政が悪化するわけではありませんが、懸念の背景にはがん治療薬がバイオ薬品になり、どんどん開発費が高騰し、それが薬価に反映されていることがあります。

高額な新薬が続々承認待ちの状態
一昨年、米国で承認されたCAR-T「キムリア」は、患者のT細胞に対して遺伝子改変を行うということで話題になりましたが、もうひとつ注目されたのは1回5000万円を超えるという前代未聞の薬価です。そして、各製薬会社は同様の新薬を開発しており、薬価が数千万円、あるいは億を超える新薬が、続々と承認を控えているのです。キムリアは国内でもこの春には保険適応になりますが、米国と大きな差のない薬価が予想されています。米国では成果報酬(治療後に効果が確認された場合にのみ、費用が発生)でも話題になりましたが、我が国の保険制度では難しいかもしれません。

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