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2019-02-15

白血病の標準治療は、最先端でも無差別爆撃

化学療法にはどうしても副作用がつきものです。

抗がん剤は正常な細胞まで攻撃する
水泳選手の池江璃花子さんが白血病を公表して、大きなニュースになっています。白血病は骨髄の中で血液を作る造血細胞ががん化し、どんどん増えていくことで、正常な造血を阻害するという血液のがんです。治療は基本的に抗がん剤でがん化した造血細胞を減らし、出来たスペースの中で正常な造血細胞が増えるのを待つことになります。抗がん剤の仕組みは、固形がんと同じように分裂中の細胞を区別せずに叩きますから、多くの正常な細胞も影響を受けます。これを繰り返していくことになるので、若い世代での発症は多いが、完治する割合も高いというのは、体力の有無が治療の結果を左右するということでしょう。

キムリアはがん化したB細胞、正常なB細胞を区別しない
昨今、話題のCAR-T「キムリア」は、免疫細胞のひとつであるT細胞の遺伝子を改変し、がん化したB細胞(免疫最欧jのひとつ)への攻撃性を高めた白血病の治療薬です。キムリアの場合、がん細胞の目印は表面に発現するCD19という蛋白質ですが、実はこの蛋白質は正常なB細胞にも発現しています。B細胞を一斉に攻撃し、回復を待つといういう意味では、最新の治療も大きな副作用リスクを抱えているのです。因みに米国では5000万円以上という費用が話題になりましたが、B細胞がダメージを受けることで、その感染症対策にも大がかりなケアが必要になります。

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