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2019-01-22

乳がんはタイプごとに別の病気

どのように増えるか、どんな蛋白質を発現しているかで、乳がんは区別されます。

乳がんには5つのタイプがある
乳がんには5つのタイプがあります。エストロゲンというホルモンの影響でがん細胞が増殖するか、またがん細胞がHER2という蛋白質を発現しているかどうか、その組み合わせで分類されます。ホルモン受容体が陽性で増殖の速いルミナールA型、ホルモン受容体陽性で増殖の遅いルミナールB型、HER2が陽性でホルモン受容体が陰性のHER2型、ホルモン受容体とHER2がいずれも陽性のルミナールHER2型、ホルモン受容体もHER2も陰性のトリプルネガティブ型です。

乳がんの化学療法はタイプごとに異なる
化学療法はそれぞれのタイプで異なります。従って、乳がんはタイプによって全く別の病気といっても差し支えありません。ルミナールA型、ルミナールB型に対してはエストロゲンの働きを抑えるホルモンで治療が行われます。HER2型であれば分子標的薬のハーセプチンが有効です。トリプルネガティブ型は以前は抗がん剤しか選択肢がありませんでしたが、BRCA1、BRCA2遺伝子に異常がある場合は、リムパーザという分子標的薬が登場し保険適用になっています。但し、早期の乳がんで手術だけしか行われない場合、BRCA1、BRCA2遺伝子の異常を調べるには、自費で検査を受ける必要があります。国ががんゲノム医療を推進する中、がんの原因である遺伝子の異常に対応して治療を選択する流れが加速していますが、費用などを含めた問題はまだまだ多いのが現実です。

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