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2018-10-09

がんゲノム医療の推進でドラッグラグが浮き彫りに

がんゲノム医療の普及はオーダーメイド医療実現への大きな一歩といえます。しかし、制度的に不十分なところを浮き彫りにする可能性があります。

がん遺伝子検査で分子標的薬が選択し易く
国はがんゲノム医療を推進し、がん遺伝子検査を受けられる医療機関も増えてきました。先進医療で取り組んでいるところもあれば、近年中に保険適応を目指しているところもあります。いずれにせよ、がんの原因である遺伝子の異常を把握することで、個々の患者に応じた治療が実現出来るようになることが期待されています。近年、がん治療薬は遺伝子の変異でがん細胞に特異的に発現する物質を目印に作用する分子標的薬が主流になりつつあります。その点では遺伝子検査によって効果の期待出来る治療が選択出来るようになるでしょう。

効果の期待出来る薬が、保険診療で使えないかもしれない
しかし、遺伝子検査で個々の患者に適した分子標的薬が見つかったとしても、誰もがその治療を受けられるとは限りません。少し前、オプジーボの薬価が高額だと批判されましたが、近年、新薬開発の中心はバイオ医薬品であり、薬価は高騰の一途を辿っています。保険適応当初は年間3500万円もしたオプジーボほどでないにせよ、分子標的薬を自由診療で使う場合、保険診療とは比較にならないほどの支出を求められます。治験でエビデンスを集めて保険適応になる現状の仕組みを、すぐに変えることは難しいのですが、国がゲノム医療を推進するからには、個々の治療も遺伝子の変異に応じて保険適応にしていかなければ意味がありません。

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