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2018-08-09

ハーセプチンのバイオシミラーの承認が続く

分子標的薬の代表的な商品「ハーセプチン」の類似の後発商品であるバイオシミラーの承認が続いています。

ジェネリック医薬品とバイオ医薬品の違い
特許が切れた医薬品に対して、同じ内容で後発のコピー商品として製造されるのがジェネリック医薬品で、ここ数年、医療費の増大を背景に普及が進みつつあります。既に効果や安全性が確認されているため、承認のためのコストが大幅に軽減されるため、安価での供給が可能になるからです。一方、近年、新薬といえばバイオ医薬品が主流になっていますが、化学合成で作られる成分が原料となる一般の医薬品に比べて、分子量が大きく、構造も複雑であることから、ジェネリック医薬品のように完全なコピー商品を作ることは困難です。そこで、バイオシミラーと呼ばれる類似の後発商品が作られています。

ハーセプチンとは承認の範囲が異なる理由
乳がんなどに使われる分子標的薬「ハーセプチン」は、我が国でも乳がん、胃がんに対して保険適応となっていますが、今年3月には日本化薬と韓国のセルトリオンがバイオシミラーの承認を取得し、9月には第一三共も承認を取得する見込みです。日本化薬とセルトリオンは胃がんに対してのみの承認で、第一三共は胃がんと乳がんの療法に対して承認されています。但し、乳がんについてはハーセプチンに比べて一部の用法が除外されています。日本化薬とセルトリオンは、ハーセプチンの発売元である中外製薬と、乳がんの用途特許を巡って係争中であり、それが承認の範囲の違いになったのではないかと見られています。

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