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2018-05-11

新薬の承認をスピードアップする様々な制度

新薬の承認には時間がかかり、欧米では普通に使える医薬品が、国内では未承認であったり、処方に制限があったりするドラッグ・ラグを生んできました。

CAR-Tの承認は通常よりも早くなりそう
昨年、米国で承認されたCAR-Tですが、4月には国内でも承認申請が行われました。医薬品が保険適応になるまでには、臨床試験を通じて効果や安全性を確認する必要があり、何年もの時間を費やす必要があります。これがドラッグ・ラグといって欧米では広く使われているにもかかわらず、国内では未承認という問題の元凶になってきました。しかし、今回のCAR-Tに関しては希少疾病用再生医療等製品の指定を受けており、通常よりスムーズに9か月程度での承認が可能であり、今年度中には保険適応になりそうです。

時間のかかる臨床試験を行わなくてよい制度も
このような制度としては昨年、条件付き早期承認制度が設けられました。日本で最初の承認申請を目指しており、効果が著名で、早期の実用化が求められる医薬品であれば、3段階のフェーズで行われる臨床試験のうち、最も規模が大きく、時間(通常は2年以上)とコストのかかるフェーズ3を行う前に、承認申請が行えるようになったのです。効果や安全性に関するデータは承認後に収集して確認することになります。もちろん、どんな医薬品でも対象になるわけではなく、患者が少なく、臨床試験の実施が困難な場合などに限られますが、患者にとっては朗報といえるでしょう。

 

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