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2017-06-06

アスタチンを使った放射性医薬品の治験に向け、国が予算計上

「飲む放射線療法」である放射性医薬品の材料として期待されているアスタチンを、福島県立医科大学が国内の医療機関でははじめて製造したことは、既にお伝えしました。この研究に国の予算が計上され、実用化に向けた治験の開始に大きく前進することとなりました。

放射性医薬品は幾つかが既に保険適応
放射性物質を服用することで、体内からがん細胞を攻撃するのが放射性医薬品です。半減期が短く、がん細胞にだけ吸収されるように工夫してあるので、正常細胞には影響を与えず、がん細胞をピンポイントで叩くことが出来ます。骨転移の痛みを抑えるストロンチウム89、甲状腺がんに対するヨウ素131、前立腺がんに対するラジウム223などは、既に保険適応になっています。

膵臓や前立腺の難治性のがんで効果を検証
この他に放射性医薬品の材料として期待されているのがアスタチンです。自然界には安定同位体として存在しませんが、今年の春、福島県立医科大学が国内の医療機関としてははじめて製造に成功しました。2020年までの治験開始を目指していますが、福島再生加速化交付金約12億円が付けられ、実現に向けて大きく前進することになりました。治験では膵臓や前立腺などの難治性のがん、血液の進行性のがんなどに対する効果や安全性が確認されます。

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