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2017-04-04

オプジーボの競合製品が続々と開発中

オプジーボと同じような仕組みでがん細胞が免疫細胞にかけたブレーキを解除し、免疫の力でがんを退治しようという薬が、幾つも開発されています。

キイトルーダが保険適用に
従来の抗がん剤とは全く異なる作用機序で注目されたオプジーボ。がん細胞が免疫細胞の一種であるT細胞にかけているブレーキを解除し、患者自身の免疫の力でがんを叩くという仕組みです。オプジーボの場合、T細胞表面にあるPD-1という蛋白質に、がん細胞のPD-L1という蛋白質が結合して、本来の働きをさせなくするのを防ぐため、オプジーボが先回りしてPD-1と結合するのです。米国ではオプジーボよりも先に承認され、我が国でも先日、保険適応となったキイトルーダも同じ作用機序の薬です。

未承認の免疫チェックポイント阻害剤は4種類
免疫チェックポイント阻害剤はこのふたつだけではありません。がん細胞が働きかけることで、T細胞が機能しなくなる蛋白質を免疫チェックポイントといいますが、PD-1のほかにもがん細胞のB7という蛋白質が結合するCTLA-4があります。この免疫チェックポイントを阻害するのがヤーボイです。また、我が国では未承認ですがPD-L1のほうに作用するアテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブや、ヤーボイと同じようにCTLA-1に作用するトレメリルマブなども開発中です。

キイトルーダは抗がん剤よりも先に使える
オプジーボは抗がん剤が効かなくなってからでないと使えません。免疫を回復させる薬なのに、免疫細胞にダメージを与える抗がん剤の後でしか使えないのは不可解な話ですが、キイトルーダは最初からファーストラインで使えます。様々な製品が使えるようになることで、患者にとって症状に応じた選択肢が増えるのは望ましいことです。

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