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2017-02-09

脳腫瘍のがん幹細胞を検出する手法開発

がん細胞が増殖する端緒といえる存在ががん幹細胞。これを排除することは、将来の再発や転移の予防の鍵となります。東京医科歯科大学などのグループは従来、認識しづらかった脳腫瘍のがん幹細胞を明確に識別する方法を開発しました。


脳腫瘍のがん幹細胞は検出薬でも区別しづらい
脳腫瘍では手術の際、正常細胞と区別するために、5-アミノレブリン酸という検出薬を用いて、がん細胞を光らせます。この検出薬はがん細胞の中でプロトポルフィリンⅨに変化し、青色光や紫外線を当てると、赤く光るのです。ところが、がんの再発や転移の元となるがん幹細胞は、通常のがん細胞ほどこの検出薬でも光らず、区別することが困難でした。

鉄過剰症の治療薬の併用で検出薬の効果がアップ
プロトポルフィリンⅨは鉄イオンにつくと、ヘムに変化し発光しなくなります。そこで東京医科歯科大学難治疾患研究所の田賀徹也教授らのグループは鉄過剰症の治療に使われるデフェロキサミンを併用したところ、ヘムへの変化が抑えられ、単独で使った場合よりも、強く発光し、がん幹細胞まで検出しやすくなりました。がん肝細胞を排除することは、再発や転移の予防に繋がります。まだラット実験の段階ではありますが、新しい治療の端緒になるのではないかと期待されています。
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