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2016-07-01

7.標準治療とANK療法の併用

私たちは「抗がん剤を使うか否か」「標準治療か免疫治療か」といった二択に走りがちです。しかし、現実には標準治療と免疫治療の長所を組み合わせたほうが効果的です。

進行がんに対しては延命しか出来ない標準治療
標準治療に限界があることは、がんの専門医でも認めています。進行がんと診断された患者が、医師から治療方針の説明を受ける時、出来るだけよい状態を続けて、長く生きられるようにしましょうなどといわれることがあります。治らないのでこれから行う治療は延命のためですと、はっきり宣告される場合もあります。保険診療に携わっている医師は、自分たちがベストを尽くしても、進行がんを治すことは出来ないとわかっているのです。そして、現在のエビデンスで最も長い延命が期待される標準治療を行うのです。

医師も自覚する標準治療の限界
延命といわれた患者は「頑張って治療を受けたら元気になれるのではないのか」「最初から諦めろというのか」と疑問に思うかもしれません。しかし、医師はステージごとの5年生存率やエビデンスとして共有されている治療の延命効果などを根拠に判断するしかありません。そこで、治る見込みはないけれど最善の治療をしましょうというのが精一杯なのです。保険診療で可能な治療だけを前提にしたら、どうしてもそういわざるをえません。

先端医療の多くは自由診療
一方、先端治療の多くは原則として患者が医療費を全額負担する自由診療で実施されています。自由診療には広く提供されている保険診療を補完する役割があります。保険診療の費用は国民全員で負担し合っているので、何でもどんどん取り入れていくことは出来ません。新しくよい薬や治療法が出来ても、すぐに保険適用になるわけではないのです。そこで、健康保険の使えない治療を、医師の裁量で実施することが認められています。

医師2実用化された免疫細胞療法「ANK療法」
保険適用の仕組みがない免疫細胞療法も、自由診療で受けるしかありません。現在、NK細胞による本格的な免疫細胞療法としてANK療法が実用化されていますが、これは保険診療のメニューに入っていません。よって、標準治療の医師はこれを実施することが出来ないのです。そのために誤解や無理解もあります。

ANK療法で標準治療の弱点を補う
ANK療法の特長は免疫力を回復し、微小分散がんまで根絶出来る点です。まさに標準治療の限界を補完する治療法なのです。単独でがんを治せることも、臨床試験で確認済みですが、ANK療法だけで治療するのは、時間や費用の面から合理的ではありません。一度に腫瘍を切除したり、勢いがあるがんの増殖を止めたりすることは、標準治療が得意とするところです。標準治療とANK療法を組み合わせ、得意なところを活かし合うと、効率よくがんの完治を目指すことが出来ます。

がんと診断されたら、すぐに相談
医療制度上、保険診療と自由診療を同じ医療機関で受けることは出来ません。複数をかけもちすることになりますが、診断直後などのなるべく早い段階でANK療法を実施している医療機関にも行って、標準治療との組み合わせ方を相談するとよいでしょう。

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